2011年12月15日木曜日


1X10A145 藤森慧 A++ 「記憶の消失と、維持について」
原毛に覆いかぶさった堅いフェルトのパッチワークの隙間からのびた管の先に、縮絨されてできた丸い毛のかたまりがくっついている。同じ素材が徐々に質感を変えながら接続する様子が、自分の記憶が信号の伝達とともに徐々に形態を変化させることを示しているようにも見える。全体の形状の作り込みはやや未消化であるが、素材をうまく使い分けて組み立てていることは評価できる。(安東)