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2011年7月25日月曜日


1X10A108 知花 尚志(ちばな たかし)「軽いが重いこと」A++


小さな台座に生けるような形でルーズに結束することで安定感のある繊細な表現を可能にしている。細材を最小限かつ有効な手法でつなぎ材を設ける事によって支点・力点・作用点のようなものが意識化されている。開き止めとして作用するベースにかかる力の流れが全体を一つのパフォーマンスとして感じさせる力を持っている。(博多)


1X10A077 佐藤 洋平(さとう ようへい)「素ツール」A++




粗いメッシュのフレームの中におさまったシートが立ち上がると、100gの重量をもつと思われるスツールの輪郭が浮かび上がり、独特の軽やかさをまとう存在を表現した作品になる。アイディアは独創的だが、作品の完成度をあげるためには、自立するような仕組みを考えられたらよかったのではないかと思う。(安東)
1X10A181 吉江 優(よしえ ゆう) 「無題」A++



白いパッケージが精巧に作ってある。その中に空気に触れると蒸発する不可視の彫刻と、その下部にメンテ用のツールが三段の引き出しに入っている。上蓋をあけると、蒸発した彫刻の台座が残存するという態である。100gの不在のために用意されたツールとはいかなるものか。作品の精巧さが、その問題を浮き彫りにする。(入江)


1X10A145 藤森 慧(ふじもり けい)「Sensation of 100g」A++


料理に使う材料を100gと指定されても、たとえばベテランの料理人は量りにかけずに経験的に適当な分量を手の中でつかむことができる。この作品はそんな、ざっくりとした感覚を思い起こさせてくれる。その100gを思わせる固まりは、これから何かに変化していく可能性を秘め、ねっとりとした、素材感をもって存在している。(安東)


1X10A124 名越 まり(なごし まり)「100gの痛み」A++


無数の楊枝の頭が遠くからはアザミの花のようにみえる。近づくとトゲトゲの立体に仕上がっている。楊枝という小さな単位に着目して、それを大量に用いることでボリューム感とディテールを併せ持つ作品に仕上げた視点は良い。作品をおさめる箱の作り方が丁寧でなく、作品を美しくみせることができてなくて残念だ。(安東)

  1X10A146 古川 茉弥(ふるかわ まや)「Shaving color」A++


100gの削りかすを日常的に使われる器に盛る事によって食感の延長にある、ある種の違和感としてこざっぱりと表現している点が評価できる。いろいろと想像できる反面、表現として見たときの強度に欠ける。(博多)


1X10A084  庄野 航平(しょうの こうへい)「ニョロ」 A++


判子用の石を100gにまるまで削ってオブジェにしている。足して100gにするのは簡単でも削って100gにするにはある地点でぴったりと止めないといけない難しさをはらんでいる。到達した地点がこの形という個性が面白かった。十人十色の作品ができるというプログラムとしても考えられるかもしれない。(間下)


1X10A081 清水 友稀(しみず ゆうき)「無題」A++


緩衝剤の中に実体をふせた塊が浮遊している。外見からは、実体の分からない重さというくくりのパッケージを軽い緩衝剤によってカモフラージュするという操作の中に、performance的な志向を感ずる。(博多)


 1X10A109 陳 紹華(ちん しょうかつ)「百グラムの歪み」A++


100gの錘が、支持点の距離の差によって架け渡されたものに与える変形を主題としている。課題に直截に取り組んだ姿勢を買いたい。立体作品を精巧に作る手技を磨いてほしい。(入江)




 1X10A072 坂下 雛子(さかした ひなこ)「無題」 A++


 100gの砂を50g、30g、20gにわけて三つの砂時計にしたてた作品。三つのおのおのの時間があり、組み合わせによって同じ100gでも違う時を計れる。ただ、砂時計のパラメータは砂と穴の二つの関係でもあるので、どのように計っても同じ時間ぴったりにした方が作品としての強度は強まったのではという気もする。重さを時間に還元する考え方はおもしろいので、精度共々あと一歩深みを増すことができると良かった。(間下)


1X10A133 原 周二郎(はら しゅうじろう)「長い思いで」A++




100gのビデオフィルム。質量に刻印された映像の記憶は質量に変換されえるのだろうか。記憶や思い出に重さを求めた視点は一応かうとして、既製品をそのままに使用することの論理と既製品たるべく一から作り込むことに力を努めてほしいと思う。(入江)

1X10A057 國方 隆也(くにかた たかや)「無題」A++


100gのストローをつなぎあわせ大きな輪を作った作品。100gの広がりという点では一番の大きさを与えることができるポテンシャルを持つ。パフォーマンス自体は見る者の方にゆだねられている。(間下)

第七課題 「100gのPerformance」 出題:博多 努


地球上の万物がもつ固有の質量


ここでは100g(グラム)
という限られた単位量を
日常的に使用する単位(g)とは別の規模感をもってとらえてもらいたい。
密度・物性・加工性・様態など素材のもつ物性をふまえて
100g(グラム)
のPerformanceを最大限に引き出して表現して下さい。




提出物:立体(サイズ不要)


出題日:6月22日
提出日:6月29日
講評日:7月6日