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2011年7月14日木曜日

1X10A166 向井 ひなの  A+++
日常生活の中で、一番身近なところで「surround」をとらえていて、全てのものにつながっているけれども、どこともつながっていない。そんなアングルで切り取って表現されている。よく知った背景や全く知らない風景に知らないうちに接続させる。そんな力をもった作品に仕上がっているように思う。(博多)

1X10A039 沖津 龍太郎  A+++ 「赤の他人」
顔を含む部分を画面からトリミングして、匿名化された群衆が描き込まれている。顔を失った瞬間から、個人としてのあらゆる要素は漂白され、よそよそしい。バックグラウンドとしての他者としての側面だけが表にあらわれてくる。足音や話し声すら、全く知らない外国の都市に放り込まれたような、群衆の中にある孤独を感じる作品。(博多)

1X10A156 松延 浩人  A++ Surround tense
ボードに金属の質感のあるカッティングシートを貼り、その上から部分的にヤスリをかけて作品を仕上げている。キャッチボールをしていると思われる二人の間に描かれた球の軌跡とそれを観察する者の瞬間的な距離感を固定した作品。この空気感を表現するための素材と加工方法の選択は正解だと思う。(安東)
1X10A124 名越 まり A++ vapor
温泉でも銭湯でもなく、既成のユニットバスの空間に蒸気が蔓延している様子を描いた作品。淡いコントラストで狭い空間を見上げて描くことにより、日常の中にもわずかな非日常性を孕み、スケッチにとどまらず作品として昇華させた点が評価された。(間下)
1X10A077  佐藤 洋平  A++ 「兆し」
「兆し」と題された作品で、雲の断片が丹念に描き込まれている。表面にはタペストリ−のシートが張り込まれていて、雰囲気的な効果を助長している。最も外部に設置する。空の表現であると同時に、最も内面を投影しているような錯覚を覚える。(博多)
1X10A090 瀬尾 憲司  A++
対象を、輪郭をかかずに細かな斜線の密度で表現している。そのエネルギーと画力は見る者を圧倒する。しかしながら、三枚連続する絵に一体どんなストーリーがあるのだろうか。何故都市の中の街灯だけ黒く塗りつぶされているのだろうか等、疑問に思ってしまうところが多く、そこが残念である。(TA)

1X10A182 吉岡 侑希  A++ foot steps



人の足音に着目し、正方形のスケッチが並列されている。三コマ目を余白にしていることで、余計歩行のリズムへの意識を掻き立てられた。片足のみを描く表現も成功している。
TA坂本)

1X10A133 原 周二郎  A++ 「隙間は空が埋めてくれる」
駅のホームに入ってくる電車を逆光でとらえ、その影の向こう側に覗かれる明るい空。光と影の世界をシンプルに分割して切り絵の技法で丁寧にラインを描いている。タイトルのとおり、隙間を埋めた空がどこまでも広がっていて開放感が感じられる。(安東)
1X10A101 田代 晶子  A++ SURROUND LIGHT
キャンドルに手をかざし、灯がともった状態と、ともる前の状態を克明に描いた作品。火の温かさが実感をともなって見るものにも伝わってくる。共感を得た。(間下)


1X10A004 青山 春菜  A++
日常における空と窓の関係に、surroundを見出した作品。窓ガラスにのみ着彩する強調方法や二枚のドローイングの配置関係は適格で的をえていると言える。対して、ドローイングの前後の二枚はあまり必要性を感じられなかった。(TA坂本)
1X10A032 大崎 名美映 A++
三枚の絵の中でもステンレスのボールに映り込んだ自分とそれをとりまく空間を描ききった作品が高く評価された。鏡面の曲面にはデフォルメされた自分と共に歪みすぎて何だか分からなくなった周囲環境までも見込み、手の中に納めるという入れ子のような複雑さを発見したところが良かった。(間下)

1X10A139 廣田 亮  A++
作者のまわりにある心象を、いくつか拾いだし、自分から離れない粒子の雲のように.赤から黒に至るまでのグラデーションを与えながら吹き流している。項目列記は気にかかるが、吹き出しのような心象が身の廻りにたなびきながら、その中に強く印刷された記号が対比を与えているところがなかなか良い。(入江)


1X10A123 中山 花星  A++ 「漂」
車窓風景。表現方法は、塗り潰した塗料(クレヨン)の層をけがいて描出するようにしている。drawingのようにけがいて引き出しているのである。形の定かならぬ、常に消失されゆく日常の風景surroundをけがいて、記憶にかすかに留めようとしているかのようだ。
(入江)


1X10A033 太田 有実  A++
身の回りの家の内からと、三叉路を描いている。魚眼で切り取った窓からの日常の風景は、吹き上げられたかぜを介して、また膳板(額縁)の曲面とともに、気怠い(アンニュイ)日常の性質を、surroundの言葉とともに喚起する表現となっているように思う。佳作である。(入江)

1X10A179 山本 浩夢  A++
フィルムの手前側にビニール傘の柄のラインが描かれ、奥の側には傘に落ちた雨粒とぼやけた輪郭の風景が立体的に映し出される。この作品からは雨の日に独特な高い湿度を含んだ空気が感じられる。背景のラインはラフでかまわないと思うが、傘の輪郭はもう少し丁寧に描いてほしかった。(安東)

2011年7月13日水曜日

第二課題「Surround」 出題:博多 努

=  ≠ Environment
=  ≠ Body

空気のように自分をとりまくもの、
五感を開くことで、はじめて緩い感度で知覚されるもの、
その場の雰囲気に対して微細だが、決定的に作用するものなど、
環境と自らの身体の間に位置し、作用するものを発見し効果的な手法を用い
て表現して下さい。

提出物:ドローイング(275mm×275mm 二枚以上・表紙別)
出題日:5月18日
提出日:5月25日
講評日:6月1日