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2011年7月24日日曜日

 1X10A090 瀬尾 憲司(せお けんじ)「Step Back to the yellow LineA++


ホームに入ってくる電車を真横に描いた作品。光を受けてゆっくりすべるように止まろうとしているのであろう電車に威厳すら感じる。駅という日常で行われている緊張と緩和の連鎖を一つの構図で表現した力作。視点の取り方が秀一だった。
(間下)



 1X10A088 鈴木 雅一(すずき まさかず)「無題」A++


闇の中で障害をよけながら進む限りに長く感ぜられる通路と、ほんのかすかではあるが外光が差し込む外接する通路が対象的に描かれている。同じようなラーメンの架構でありながら、奥行きの感じ方、柱梁によって囲われるスケールがまるっきり異なるのが印象的である。(博多)


1X10A179 山本 浩夢(やまもと ひろむ)「爆ぜる精神」A++


見開きの画面に細いガイドラインが引かれていて、その上に線香花火の一生が70のコマ送りで丁寧に描かれている。グリッド状のラインに上った花火の小さな光は、少しずつ緊張感をもって花開きやがて静かに消滅していく。線香花火の様子を注意深く観察して丁寧に描ききった、作者の作品に向かう気持ちが伺える。シンプルな表現ではあるが、奥深い作品に仕上がっている。(安藤)

1X10A056 轡田 真波(くつわだ まなみ)「マッチ棒と心」A++


マッチを擦る時の手先の緊張に表れるエネルギーが炎へと変換されて燃え尽きながら形を維持する力を失ってよじれていく様が描かれている。手に対してだんだんマッチのサイズが大きくなる描き方、黒から白に徐々に移り変る背景の作り方も、間接的に炎を通して手に伝わってくるエネルギーのようにも見える。(博多)

1X10A158 松本 奈穂(まつもと なほ)「朝」A++


朝のラッシュの風景をホーム際より描いている。満員の車内から外に出られたという一瞬の解放感と、すぐさま急いで目的の場所へ向かう朝のせわしなさ、車内の混雑を一つの画面で見てとれる。都会の朝の様々な緊張とつかの間の緩和。誰しも共感を持つ作品。(間下)

1X10A104 田中 美鈴(たなか みすず)「無題」A++


ドアノブの二つの表現。一方は表示錠として赤が示され、もう一方は青が示されている。使用中と空
きの状態であり、この小さなサインによって、社会生活における流れの中に緊急を伴う緊張と、自然
な行為に穏やかな緩和の気配がリズムを与えているのかもしれない。(入江)
 1X10A108  知花 尚志(ちばな たかし)「無題」 A++


黒板のチョークが折れ飛び散る一瞬を捉えた作品。力の入ったチョークを持つ一枚目と、俯瞰からきつめのパースをきかせてロケットのように飛んでいるチョークを捉えた二枚目の構成がユーモラスである。(間下)

1X10A004 青山 春菜(あおやま はるな)「無題」A++


トマトが題材。緑の若々しいトマトの伏図と、一線を画して熟したトマトの水平断面が直面する。前者を緊張とすれば、一方熟して弛緩した成育の状態に達した、緩和の状態を表現しているのだろう。色彩の円間が芳香を伴って感ぜられてくる。トマトの断面の表現は緩和せずに緊張して描いてほしかった。(入江)


 1X10A124 名越 まり(なごし まり) 「表面張力」A++


表面張力と重力のバランスが崩れてコップから水が溢れ出る瞬間を、コップの表面をつたって流れる一筋の水で表現されている。コップの中の水の世界がうまく描かれていて、美しい透明感を感じる。緩和した状態で一旦流れた水の中にも新たに小さな緊張感が生まれている。(安東)

1X10A014 泉 貴広(いずみ たかひろ)「壊れて消えた」 A++


小さな女の子が一生懸命シャボン玉を吹いている。ふわふわと空に舞上がっていくシャボン玉がある瞬間に弾けて消えることで緊張と緩和を表現している。子供の描き方がとても愛らしく、作品の魅力の一つになっている。課題文のテーマにあったよい仕上がりになっていると思う。(安東)


1X10A133 原 周二郎(はら しゅうじろう)「TEN LINESA++


ハードボードを10本のカッターの切り込み線が整然と直角方向に走るもの、ランダムに切り結び交切するもの、一方を緊張とすれば、もう一本は相互的に緩和するものだろう。白い紙面を切り込む線という選択は表題に応えるものとなっている。塗りつぶす鉛筆のタッチがその選択をマイナスなものにしているのが残念。(入江)

1X10A027 梅野 美咲(うめの みさき) 「どきり」A++


一瞬だけ浮かび上がった目と、唇と、のど仏が、単に目があったときの緊張感を超えて、絵の印象を雄弁なものにしている。冷やかではあるが、軽い笑みを含んだ目線は緊張を含んでいるが、ちょっとした筋肉の緩和がしかけられているように見える。(博多)

2011年7月23日土曜日

第六課題「緊張と緩和」 出題:間下奈津子

あるもの/ことの「緊張」状態とそれが「緩和」することによって起こる現象を考察/観察し、各々表現してください。「緊張」と「緩和」は逆転してもかまいません。変化によって生じるエネルギーを作品化してください。

出題日:615
提出日:622
講評日:629
提出物:275×275の平面、表紙+二枚以上(表紙に作品のタイトルをつけてください。)