2011年7月23日土曜日

第六課題「緊張と緩和」 出題:間下奈津子

あるもの/ことの「緊張」状態とそれが「緩和」することによって起こる現象を考察/観察し、各々表現してください。「緊張」と「緩和」は逆転してもかまいません。変化によって生じるエネルギーを作品化してください。

出題日:615
提出日:622
講評日:629
提出物:275×275の平面、表紙+二枚以上(表紙に作品のタイトルをつけてください。)

お知らせNo.2

①画像データ受け渡しですが、

月曜日・火曜日・金曜日の正午~夕方頃 

でしたら、TAはN棟入江研究室にいると思いますので、訪ねてみてください。
ただ、確実ではありませんのでご了承ください。
もし急ぎで欲しい場合は、設計演習B/C宛てにメール(ensyu.bc@gmail.com)ください。
こちらで調整いたしますので、確実に渡せると思います。よろしくお願いします。


②設計演習Cの初回授業について

設計演習Cは初回授業を早稲田大学以外で行うことを現在予定しております。
コースナビ及びブログでお知らせいたしますので、後期が始まる10日程前から
チェックしておいてください。よろしくお願いします。


前期もいよいよ終わりますが、みなさんもお疲れ様でした。
是非夏休み課題も頑張ってみてください。
では、充実した夏休みを。

TA
1X10A 158 松本 奈穂(まつもと なほ) 「風」A++


走る車の後部座席に座った観察者の目に、窓から緑の木漏れ日が飛び込んでくる。車の走るスピード感を心地よく感じながら、美しい光の風に感動している様子がよく表現されている。(安東)
1X10A 141 藤岡 春菜(ふじおか はるな)「無題」A++



ランやアジサイなどの植物が鉛筆やクレヨン、色鉛筆などで描かれている。モノクロームのタッチに、葉や花々が色をもって部分的に加えられたり、色彩に満ちた表現もなされている。花々の色合いに驚くことがあるが、その色合いは自然の贈り物と考えられよう。率直で、力をこめた作品となっている。(入江)
1X10A 131 浜田 麻里奈(はまだ まりな)「無題」A++

気遣いや相手への配慮への  中に存在するプレゼントではなく、対象へのダイレクトな欲望の表出が「自然からのプレゼント」と感じさせる力強さを備えている。(博多)

1X10A 003 青木 若菜(あおき わかな) 「FOR YOUA++


5人の少女たちが笑いながら走っている所を油絵風なタッチで描いた作品。笑顔をプレゼントされるのは画面手前にいる作者本人だろうか。絵全体に溢れる陽気な空気が見る者をも明るくさせる。ディティールを塗り飛ばした所も表現を効果的にしている。(間下)
1X10A088 鈴木 雅一(すずき まさかず)「無題」A++


生命の維持にとって、渇きは切実なものである。渇きがあるところにプレゼントが実在することを象徴的に表している。(博多)


1X10A 139 廣戸 亮(ひろと りょう)  「My BroA++


一本の街路樹の四季を描いた作品。落葉樹が人々に見せてくれるうつろいを丁寧に量感をもって描いた所、抽象化されたバックの色使いに好感がもてる。冬の場面の、枝だけになった樹にまきついたイルミネーションの電線に、プレゼントとは何かとなにやら考えさせられる。(間下)
1X10A182 吉岡 侑希(よしおか ゆうき)
「町で見つけた無意識なプレゼントのカタチ」A++


究極的には欲している相手があるところであれば全く無自覚な形でプレゼントは成立する。お互いにプレゼントする・されるの自覚はなく、自然現象の連鎖としてとらえるクールな目線が窺える。(博多)


1X10A101 田代 晶子(たしろ あきこ)「ColorsA++



目を閉じたシーンのモノクロームに対して目を開くと広がる色彩感。普段は感じることのない色彩の美しさや色彩が与えてくれる喜びを贈り物として表現した視点は良いと思う。鉛筆で繊細に描いた白黒の世界と、カラーの世界はラフに筆を落としたタッチの描き方の対比が面白い。(安東)
1X10A156 松延 浩人(まつのぶ ひろと)「Present-BalanceA++


作品を開くと、格子の模様が広がる。閉じると左右の格子模様が重なり暗闇が広がる。その中からぼんやりした光が浮かび上がって何かがうまれる。それとプレゼントの関わりは不明だが、作者の「Balance」というタイトルから感じられる何かがある。(安東)
1X10A009 池田 直樹(いけだ なおき) 「familiarityA++


さまざまな形をした板が重なりあって、テーブルを形づくっている。各々に四角、円、三角から不
形に到る穴が孔いている。その穴の重なりがある角度からの光を透過させることを断面図を
加えて説明する。透過した光が生物の形を台座に描き出す。その変換と、そこに到る手続き
が、ゲームをとおした「熟知した親しみやすさ」の場を醸し出すプレゼントテーブルなのだろう。
(入江)
 1X10A039 沖津 龍太郎(おきつ りゅうたろう)「雨の日の二人」A++


   映画のワンシーンを切り取ったかのような、路地を行く二人が雨の中相合傘をさしている作品。時代を感じさせる風景と二人の距離感、ペン画のタッチが絶妙な雰囲気を 醸し出しており、古典的なベタなモチーフでありながら、力量を感じさせた。余白の使い 方も効果的。(間下)
第五課題「プレゼント」 出題:安東陽子

 今回の課題では贈る側の愛情や感謝の気持ち、相手とのつながりを表す、様々な「プレゼント」のかたちを考えます。

 誕生日などの記念日に個人から個人に対して贈るものということに限定せずに、例えば公共の場に相手を特定せずに心地よい空間を提供する行為や、ふとした自然の恵みに触れた人がそれを贈り物として感じる瞬間など、様々な場面を想定して、それを表現してください。

 考えるにあたっては、対象を明らかにして、作品のテーマを表すタイトルをつけてください。

提出物:ドローイング(表紙別、1枚以上)
出題日:201168
提出日:2011615130分(厳守)
講評日:2011622

2011年7月18日月曜日

1X10A077 佐藤 洋平(さとう ようへい)「対峙」 A++


うねる大地と屹立する直方体の塔だろうか。広大な都市の一部を領野しているようだ。そこは全き外である。僅かにしなる塔を微細に見ると、そこにクラックが発生していて、彫り込まれた空隙が内部を彫り込んでいる。全き外と、全き内の対比が四枚の画面に描き分けられた。(入江)
1X10A039 沖津 龍太郎(おきつ りゅうたろう)「ここは果たしてどこなのか」 A++


線材を無数に用いて、エントロピー系のようなものを形成している。人も棒も等しくエントロピーの増大に寄与する存在として捉えられていて、密集してよりそって描かれているにもかかわらず、よそよそしい渇きを感ずる。(博多)
1X10A110 土屋 駿(つちや しゅん)「Grid」 A++


うちとそとの境界をシンプルで象徴的といえるグリッドで表現し、その内側にある世界と外界を明瞭に区別した。その一方で、グリット要素の輪郭にある不明瞭な部分からは柔らかい光がとけだしている風景が想像できる。また、グリットで世界を包み込んだ場面は不思議な安心感と期待感をもたらしている。鉛筆のタッチのぼやかし方は、独特の世界感をつくりだすのに成功している。(安東)
1X10A139 廣戸 亮(ひろと りょう)「The Rope Skipping」 A++



縄跳びの縄が作る内と外を原型とし空想の都市に境界を作った作品。登場人物は皆お面をかぶり、この世界とは別の世界への入口が一本の縄によって生じているようにもとれる。余白の使い方、点在する都市のシンボルが不思議な世界感を際立たせている。(間下)
1X10A088 鈴木 雅一(すずき まさかず)「無題」A++


紙片を折り曲げ、稜線に切り込みを入れたものを原型としている。それを介して部屋を見る。こちら側とあちら側、内と外の関係が発生する。それを都市の休憩・喫煙スペースとして配置している。煙草を吸う手と背景としているシェルターの開口の構図が大変良い。克明に描かれた手が、シェルターを薄皮のように見せている。(入江)
1X10A181 吉江 優(よしえ ゆう)「はがす・ねじる」 A++

自分の身の回りにあるうち・そとを目の前にある紙のような素材を剥がすという行為によって見いだしたことが、まず面白い視点だと思う。剥がしたときにできる新たな面のディテールを緻密に描くことで、繊細で独特の質感を表現している。剥がした形状の都市への挿入のイメージはやや無理矢理に形を落とし込んだという印象を与えるが、全体的な絵の書き込みのラインが美しいので見応えがある。(安東)
1X10A166 向井 ひなの(むかい ひなの)「うち・そと」 A++


乱立する棒とその上にかぶさる布が作る空間を原形とし、都市的スケールに広げた時にはパーゴラとした作品。ペンで描かれた雰囲気あるドローイング、色づかい力量を感じる。パーゴラと並木が相似を成しており、入れ子のような内になる空間を強調させている。(間下)
1X10A187 和田 愛美(わだ めぐみ)「マチバリ・マチビトアリ」 A++


マチバリを刺す針山を克明に描いている。針を刺す指と爪も質感がある。この作品はマチバリを抜いた、針山に残った痕跡に目を止めたところに良さがある。小さな痕跡にうちを発見したことである。その穴と包むものから、樹木の生命感や照明が伸びていくという発想は飛躍に過ぎるが、展開性は大事にして欲しい。(入江)
1X10A032 大崎 名美映(おおさき なみえ) 「繭」 A++


最初の二枚は身体の露出を極力小さくした、布地をまとった人物像が描かれている。しわと一体化された存在として対象をモデル化して捉まえたところは評価される。後の二枚に関しては、繭の形にとらわれ過ぎて、露出しかけた対象を見失ってしまっているように見える。(博多)
1X10A084 庄野 航平(しょうの こうへい)「内にある外 外にある内」 A++
紙を三つ折りにして得られる筒型の立体を基本単位とし1つのモニュメントをデザインした作品。スケールをデフォルメし、都市に挿入した視点を評価したい。内観を表すスケッチが物足りない。(TA坂本)
第四課題 <うち>・<そと>をつくる 出題:入江正之

 私たちはさまざまな空間の中にあって生活しています。あなたが生活しているそれぞれの場所を、うち的か、そと的か改めて考えて下さい。

 まづ始めに、様々な面や線材を想定して下さい。それらに操作を加えることで、うち的な様相や、そと的な様相をつくり出して下さい。次に、うち的な空間・様相・場所を克明に描写して下さい。さらに、あなたがつくり出したうち・そとの様相を、具体的な都市や街並みや路地などにスケールを変えて挿入し、都市のうち・そと状況を描写して下さい。

表紙+規定用紙4枚以上